The Kicker

Footballを愛して、その世界に飛び込もうとしている若者です。海外サッカーを中心に思ったこと、記事を書いていきたいと思います。

CL決勝 レアル・マドリー vs リバプール 試合プレビュー

日本時間5月27日の早朝に行われる、レアルマドリー vs リバプール

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マドリーは、PSG、ユベントスバイエルンといずれも欧州屈指のチームと戦い競り勝ってきた。今回優勝すれば、3連覇という偉業を成し遂げることができる。リーグは3位で終えただけに、この大会への想いは強いだろう。

 

対して、リバプールホッフェンハイムとのプレーオフを勝ち上がり、グループも1位通過。

ポルト、シティ、ローマと見事に勝ち上がりキエフで行われるファイナルに辿り着いた。サラー、マネ、フィルミーノの3トップは今では世界トップの得点力である。

 

そんな2つのチームが対戦する試合について少し見ていきたい。

 

レアルマドリーから。

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これはあくまでも予想スタメンである。

ジダン監督は相手、状況によってかなり策、選手の配置、システムを変えてくるため、あくまでも普通であればというスタメン。

 

リバプールの攻撃陣は、機動力、俊敏性、そしてボールをはめる一瞬のスピードが非常に早い。そのために対人に強いが機動力に欠けるカゼミロは、自分の横のスペースを使われてサイドに出ていかなければいけない場面が増える可能性がある。クロースとモドリッチを出来れば、あまり守備での時間を費やしたくない。

 

そうなるとカゼミロではなく、コバチッチをアンカーに据えてくる可能性も高い。

対人でボールを奪うこと、空中戦はカゼミロに劣るが、彼がアンカーに入ると、インターセプト、ボール保持時は高い推進力を持ち前線へ繋げていくことが出来る。最近は、危険察知能力も備わっているため彼の守備でカウンター、攻撃を防ぐことも少なくない。

 

そもそもシステムを変えてくることも可能性は高い。4-3-3ではなく、4-4-2。

ボランチコバチッチ&カゼミロ。サイドにアセンシオとバスケス。2人の司令塔であるモドリッチとクロースを使わないシステムである。

これは実際に3月7日のアウェーで行われたパリ戦で用いたシステムであり見事に1-2で勝利している。機動力に長けたこのシステムはボールを回収し、全体的に高い位置まで推進する。サイドで起点を作り、サイドバックが高い位置まで上がり、2トップのロナウドベンゼマでフィニッシュまで持っていくプランである。

 

実際には、ジダン監督がリバプールのどこを消したいか、逆に自分たちはどこで勝負したいか、どの部分を優先するかでシステム、選手の選考は変わってくると思います。

 

対する、リバプールの予想スタメン。

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ミルナーの怪我が長引く可能性もあり、そうなるとまたシステムは変わるはず。しかし、W杯に出場しないミルナーはこの試合への思いは強く、彼なら間に合わせてくるという予想の元、プレビューを行います。(笑)

 

今シーズンは主にこのシステム。エムレチャンやチェンバレンも怪我で離脱する中、ワイナルドゥム、ミルナーが穴を埋めている。

 

やはりこのチームのストロングポイントはカウンターである。両翼のマネ、サラーのスピード、技術、決定力、全てを兼ね揃えた2人を中央のフィルミーノが操り、最終的にはインサイドハーフミルナー、ワイナルドゥムまでがファイナルサードまで飛び込み、得点を奪ってしまう部分である。

 

リバプールとしてはこの両翼を生かしたい。

相手のサイドバックを見たときに、やはりマルセロの裏が穴だと感じるはず。

マルセロを自陣に引き込ませてというよりは、逆に出すだけ引き出したほうがサラーにとっては効果的だろう。彼の出たスペースを埋めるセルヒオ・ラモスカバーリングは、一級品だが、今年のサラーを1人で90分間、またしては120分間止めるのは難しい。ヴァラン、カルバハルがスライドしてというよりはアンカーに入った選手がある程度カウンター対策で、サラーを見ることが不可欠である。サラー対策としてもジダンが取る策に期待したい。

 

マドリーとしてはベイル、ロナウドの対人、空中戦の強さを生かすために、サイドバックのアーノルド、ロバートソンにあえて固定して位置を取り、ロングボールなどで競り合い、セカンドボールを拾って攻撃という展開も考えられる。そのために3トップの予想スタメンが可能性が高いと思っています。

 

逆に空中戦で負けたくない、ボールを拾われたくないリバプールサイドバックが絞り、サイドのスペースを大きくあけ、カルバハル、マルセロが出てきたところでカウンターでマネ、サラーGO!という作戦に持っていくことも出来る。全てではないが、相手のストロングポイントを消すことで自分たちのストロングポイントを生かすことも出来ると思います。

 

中盤の構成に関しては、カゼミロ、モドリッチ、クロースに対して同じ人数でミルナー、ワイナルドゥム、ヘンダーソンをバチっとはめ込むか、お互いアンカーを残して、2 vs 2のどちらかになるはず。中盤の人数が同数なので、入りからお互いにフリーでボールを持てることは少ないだろう。そこで後半、拮抗した展開の中にリバプールとしては嫌な切り札をマドリーは持っている。それはイスコだ。中盤は、3 vs 3でリバプールは人を人で見ている場面にイスコが入るとする。

シンプルに言うと3 vs 4になる。1人で2人を見ること、イスコがサイドに流れた場合はサイドバックに任せるべきなのか中盤の選手は、自分がついていくべきなのか、迷いが生じる。そうなると、リバプールの中盤の守備は難しくなる。中盤が4枚になるとどこかで数的優位には立つが、選手一人一人の明確さが失われる。自分はこれをしなければいけない、自分の仕事はこれだというものがなくなると、ミスが起こりやすくなる。そのため、試合の中でクロップを含めどのような修正、調整を行うのかも非常に重要である。

 

お互いにどのような策をとってファイナルに臨んでくるのかは非常に楽しみである。

選手層、経験は圧倒的にマドリーが上だが、今季のリバプールの勢い、力は本物である。

相手の嫌がること、弱い部分を突き合い、ピッチ上の様々な問題をどれだけ取り除けるか。ここに関しては両監督の手腕が試されるだろう。